初めて敷地を訪れた際、東側に広がる畑から心地よい風が吹いていました。深谷は夏と冬の平均気温差が大きく、さらに昼夜間の温度差も顕著な地域です。

そのため、東側から清々しい風と光を上手に取り入れることで、快適な住まいづくりが実現できるのではないかと考えました。

この建物では、東側に眺望が広がる場所に2層吹き抜けのリビングを設け、それぞれの部屋が包み込むような構成となっています。また、東庭を単に眺めるだけでなく、生活の一部として積極的に利用してもらいたいという思いから、リビングの建具は全面開放できる仕様にしました。

リビングは縁側テラスとフラットにつながっており、深い屋根で守られているため、汚れが少なく、そのまま気軽に外へ出ることができます。

竣工後の様子を伺ったところ、子どもたちも東側の庭を身近に感じてくれているようで、毎日庭で楽しそうに遊んでいるとのことでした。