Award「中部建築賞 入賞」
「西伊豆の家」が中部建築賞を頂きました。
中部地域(愛知、三重、岐阜、静岡、福井、石川、富山、長野、滋賀)に建てられた建物を 対象に贈られる建築賞で、今年で48年目を迎える歴史ある賞です。
今年の審査委員長は栗生明さんでした。
講評の際、「建物が景観と呼ばれるようになるのに10年、風景になるのは100年、風土になるには1000年かかる」というお話しを頂き、西伊豆の家もこの場所で風景になる事ができるだろうか?設計者として建築に対する心構えを正される言葉を頂きました。
また、現地審査を行って頂いた増澤信一郎さんが建物の講評をしてくださったので紹介します。
「西伊豆と言えば、伊豆半島でも駿河湾に面し、富士山と南アルプスの山並みが望め、夕日が美しい風光明媚な処である。夜になると遠く対岸に沼津、富士、焼津の街灯りが灯る。
(中略)
シャープな軒先深い屋根庇と、コンクリート打放しの水平線は、透明なガラスに囲まれたファサードと相まって、中空に浮かんだような感じの外観は美しく、納得できる。
5年にわたる長い設計期間を通し、「四季の変化、一日の移ろいを体感しながら、自然景観とのマッチングを考え続けた。」という設計者の言葉に、「思い入れが強く、心が形に表れている。」と感ずることができた。
平面計画は富士の眺めと、海と空、非日常の景色を最大限に生かすべく部屋の配置がなされ、水周り等は日常的使用に十分耐えうる的確な機能性を有し、伊豆・戸田の大自然に向けて、空間を解き放つように瀟洒(しょうしゃ)なこの建物は在る。
特に寝室付きの外部バルコニーは、先端に仕込まれ普段は全開しているガラス戸と網戸を引き出すと、緩衝空間として、内部縁側にも虫除けの自然通風空間にもなる設えは気が効いていてありがたい。
別荘とは言え、よく考えられた贅沢で美しい空間である。
オーナーは東京から毎週末駆けつけて、悠久の刻(とき)を過ごしているという。」
増澤さん講評ありがとうございました!
↑表彰式で西伊豆の家を施工してくれた大同工業の川口さんと。